演技者。「寿司と祭壇」

年明け早々岡田さん新ドラマ。春から幸先良いスタートで嬉しい限り!
大輔君がほんとにコドモでどうしましょう記録・・・かな

1月7日(火) 第1回   

雪の降る夜。筒井家では交通事故で突然逝ってしまった長姉の葬儀の打ち合わせが終ろうとしていた。既に泥酔状態の父、哀しみにくれる母、静かに祭壇に向う次姉、そんな中今ひとつ実感の沸かない大輔。大雪のため帰れなくなった葬儀屋、居心地の悪いまま帰るに帰れない大輔の友人達、そこへ亡くなった姉の元彼で大輔の家庭教師だったという松田が弔問に訪れる。

恋愛偏差値のリュージくんから半年近く。なんだかこの所やたら美人度がアップしちゃってかわいい猿っ子の岡田が見たいのにーなどと贅沢なことを言っているところでこの大輔くんです。
内容も何もというところで一言。か、かわいい〜ん。なんかねー、やたら幼いんすよ、ちゃんとねーちゃん二人の末っ子長男なんですよ。一人スーツじゃなくて学生のような黒セーターに黒ネクタイでただでさえちっこいのに更に一回り小さく見えるし。何がツボってね、葬儀屋さんを一旦送ろうと外に出て結局戻ってきたとこ、頭に積もった雪をぷるぷるっと降って落とすとこ、もーここでやられましたね。あ、私はでこっぱち岡田推奨派ではございますが、ちゃんと前髪もあるし(横分けだけど)、髪色も画面暗くて黒に見えるけど(うちだけか?)茶色な頃だし、ご安心を(笑)。

なんつーかねー、淡々と話が進むというか別に進んでないというか。岡田さんの演技があまりに安心して見られるので拍子抜けというか(困ってるわけではありません、もちろん)。レプリークの田村さんとの対談によると、作者自ら岡田を指名して下さったとか。泣いたりわめいたりでもなく、ちょっとした表情と仕草だけで見せるってのはとっても岡田さん向きです。所在なさげに膝抱えてたりとか、お母さんの泣く声にやりきれなさそーにうつむいたり。
友達との会話で、「ちげーよ」じゃなくて「違うよ」と言ったのが、ぶっさん見倒した後ではなんだか新鮮。(ぶっさんの言葉遣いには最初びっくりしたけどねー。岡田の言葉かこれがと思ったもんだ。)あ、それとこのあたりの声のトーンの使い分けが好きですねー。この後のおねーちゃんとの喧嘩の時の怒り方も今までやったどの役とも違うよね。
さて、何だか過去にわだかまりのありそうな松田とのいきさつやら、それぞれの登場人物もそれぞれ何かありそうだし(社長御曹司な葬儀屋とか)、次回以降、展開はあるんでしょうねえ。(03/01/08UP)

1月14日(火) 第2回   

第2回は亡くなった美雪さんのナレーションによる前回あらすじから。テキサスの時よりはすっきりしてて断然いいっす。登場人物(?)があらすじを語る手法は「アメリカ」っぽいかな。あん時はほんとに斗真くんが素でやってるのかと思うくらい要領を得ない感じにしてあったけど。(失礼な奴)

少しは展開があるかと思われた第2回もあんまり進展は無し。松田さんに何かと話を降る由香姉さん。当時からお姉ちゃんの彼氏が気になってたのかな。大輔君は必要最低限の対応。雪が少し小降りになったので葬儀屋さん二人はお帰り。大輔君の友達二人も一緒に、というはずが、由香姉さんと松田さんが気になる矢作くんの希望により筒井家お泊り決定。お姉ちゃんの部屋から出てきた意味不明の数字ばっかりのメモ、松田さんには意味が分かったようだけど・・・。てな感じでおしまい。

ちらほらとお姉ちゃん二人と松田さんと大輔くんの関係が分かってきたくらいーかな。お姉ちゃんの残したメモの中身ってのが今後の鍵になるんでしょうかね。それこそ「アメリカ」の輪ゴムと似たようなモチーフだわね。あと気になるモチーフとしては「煙草」とか。亡くなったお姉ちゃんが大嫌いだったからこの家は禁煙というやりとりは前回からあわせて3回目。でもここ10年は正月くらいしか家に帰っていなかったお姉ちゃんのことをそんなに気遣うものなんでしょうか。他にも意味があるのかどうか気になるところです。で、今回で葬儀屋さん二人が退場、いよいよ家族内の核心に入っていってくれるといいんだけど。

てなことであとは岡田ツボなど。お姉ちゃんの顔を拝む松田さんの様子が気になる大輔君@暇に飽かしてババ抜き中。葬儀屋さん(坊ちゃまの方)との連携プレイも可愛らしい。(子供の頃と)全然変わってないと松田さんに言われる大輔君。うそだあ(笑)。あと友達二人が泊まってくことになり、お母さんに着替えちゃいなさいと言われるとこ。准ちゃんパジャマ姿ですかっ!?と内心喜んでみたりしたんですが、予告を見るとそのままの格好のようで残念。襟元をちょっと緩めてたくらいの変化しかないようですな。その襟元にどのくらいの心境の変化があるのか、さて次回はいかに。(03/01/18UP)

1月21日(火) 第3回   

第3回の冒頭は由香姉ちゃんのことが好きな矢作君の猛アタック(?)から(笑)。ああそういうことねと、かるーくあしらう姉ちゃんの残酷なことったら。
先週パジャマを探しに退場したっきりの大輔君、ようやくご登場。替わりに矢作君は泣きながら退場。松田さんと岩崎君は事情を察してニヤニヤしてるのに鈍感な大輔君です。
松田さんと二人になったところで、昔話。次第に深雪姉ちゃんの思い出が蘇ってくる。「嫌いでしたよ、松田さんのこと」という大輔君に「知ってたよ」と松田さん。
先週は酔いつぶれていたお父さん復活。おでこが広くなってるので(松田くんだと)分からなかったと言われ、慌てる松田さんとしてやったりな表情の小僧3人。深雪さんからお父さんへの最後のプレゼントだったと思われる酒を飲みながら、メモの中身を尋ねるお父さん。中身は高校の同級生だった松田さんと深雪さんが授業中に書きあった手紙。人に見られてもいいようにと数字のあて字だったと。もちろんここにあるのは松田さんが深雪さん宛てに送ったもの。ねむいとか疲れたとか他愛のないことばかりの中、じゃあこれは?とお父さんが最後に聞いたメモは・・・?

今回もお話的にはあまり進んでない。淡々と人間関係が分かってきて、何となくじわじわくるような感じですねえ。お姉ちゃんを喪失してしまったと感じた子供の頃から今まで、大輔君はお姉ちゃんと距離を置いたまま来ちゃったんでしょうねえ。記憶が蘇るのにつれて、だんだんお姉ちゃんの死を実感してきている大輔君の表情の微妙な変化が良いです。とっても。
ちなみに私も、家を出てから早10余年。毎年片手ほどの日数しか実家に帰っていない状態で、このドラマをつい深雪姉ちゃんの視点で見てしまいます。例えば私が突然死んだら、うちの弟妹もこんな感じで泣くに泣けないんじゃないかなあ。まあそれ以前に私の荷物なんてどうやって片付けるんだって。はっはっは。
今回、松田さんがそれは・・・と言いよどんだメモの数字は「14106」。何を表すのかは分かりますよね。メッセージの内容とそれをお姉ちゃんが大事に残していたという事実。それを知った時の大輔君の表情が今からとても楽しみです。10歳の時に失くしたと思っていたお姉ちゃんはちゃんと存在していて、でも今本当にいなくなってしまったことを大輔君はどう受け止めるのかなあ。号泣とかそういうのではないけど、しみじみと泣けそうな気もする来週最終回です。(03/1/23UP)

1月28日(火) 第4回   

最終回。先週に引き続き、メモの意味を尋ねるお父さん。口ごもりながらも意味するところを説明する松田さん。他愛の無い話から亡くなった娘を思うお父さん。「美人だ」という岩崎君にそうかなあと嬉しそうなお父さん。松田さんと大輔君もそれぞれ何となくこそばゆいような表情。お線香上げながら、深雪さんの最後のプレゼントを「飲みきっちゃったよ」と報告するお父さんが泣けます。
友達二人は寝てしまい、お父さんは退場、二人きりになった松田さんと大輔君。お姉ちゃんにどれだけ可愛がられていたか、次々と記憶が蘇り、ついに涙が止まらなくなる大輔君。「みゆき〜大輔まーた泣いてるよ」と大輔君の頭をはたく松田さん。それは多分10年前と同じ構図なんでしょう。
明けて葬儀の日。淡々と葬儀の準備が進めれられる中、黙々と寿司を食べる家族。食べるという行為に生きる力を感じます。
「お姉ちゃんが松田さんをフッた理由はキスしたときにタバコくさいから」だって(冗談かもしんないけど)と由香姉さん。姉ちゃんがいなくなったのを見計らって煙草を取り出す大輔君。火あります?としれっと言ってのける大輔君にぎょっとする松田さん。オープニングで火のつかないライターはこの為にあったのね。またこの二人、身長差がとんでもなくて、10年前の位置関係と変わらず、でもオトナになった二人というのを絵で見せるかーという感じです。「俺も泣けてきたよ」という松田さんに「男は泣くもんじゃないですよ」という大輔君の表情はあえて見せず。

大輔君が泣くに到るまでの気持ちの変化がとっても自然で、最初から最後までこんなに安心して見てていいのかしらと思えるドラマでしたね。姉ちゃんの遺したメモをもてあそびながら、「大好きだったんですね」という場面の言い方。また、そう言った大輔君の言葉から深雪さんの姿が生き生きと浮かび上がってくるところがいいなあ。先週「嫌いだった」と言った松田さんのことを「大好きでしたよ」というシーンを経て、でもそんなことを口に出す以前に先生の吸ってた煙草を吸ってる大輔君。「俺の吸ってたやつじゃん」という松田さんに「知ってますよ」とまー偉そうに言うシーンの効果的なこと。
それと、このシリーズ、例えば大輔君が泣くシーンは二人にスポットライト当ててるだけだったりと舞台的な演出がかなり使われていますが、家族が寿司を食べるシーンの進められ方もいかにも舞台、でも実際の舞台ではあんな風にはならない。(けん制しあいながら同じネタを狙うとこのスローモーションとかね)舞台要素を取り入れながらもあくまでテレビドラマとして映像を作られたんだなー。なーんかねー、最終回になって内容展開と演出がぴったり来て、いい話だったなーとしみじみ思える終り方でした。舞台のカーテンコールのような役者紹介もよかったな。

個人的には、若くして亡くなった従姉妹のことを思い出したり、遠く離れて暮らす弟妹のことを思ったり、色々と想像をかきたてられるお話でしたね。岡田さんもお姉ちゃんのことを思ったかな。いいお仕事が出来てよかったねと思える最終回でございました。(03/1/29UP)


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