真夏の夜の夢

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6月3日(木) 東京グローブ座 14時 開演

舞台には何故か扉が3枚。あとはのっぺらぼう。ここはどこ?と思っていると通路から学生服の少年がパタパタと走ってきます。黒髪に白シャツ黒ズボンのちっちゃい男の子は、町田さん!?パック仕様でちょっと黒めに顔塗ってるのもあるだろうけど、ヅラ似合わないにもほどがあるくらい(苦笑)。
そこへ登場するは峯村先生と小林先生。文化祭本番を控え、ヒカルくんという生徒をそれぞれ自分の顧問のダンス部と軽音楽部で取り合っています。ついでに小林先生は峯村先生に気があるんですが思い切りかるーくあしらわれてたり。ぼんやり立ってるマチダくんは小林先生に用事をいいつけられてしまいます。小林先生と峯村先生の場面はアドリブ合戦。町田〜見とけよ〜な小林センセイ。でもいきなり振られても対応できないあたりも町田さん(笑)。「俺、ボケ損じゃねーかよ」と小林センセイ。いきなり可愛がられてんなー。「お前そんなだから客席通ってもザワザワされないんだ」って顕作さーん。
3人と入れ替わりに登場はヨネハナくん他演劇部の4人。軽音楽部がボーカル不在で出られなくなったので文化祭のトリは演劇部の「ロミオとジュリエット」だーと盛り上がる4人。町田はどこだー、いないけどやっちゃおうぜーてな扱いの町田くん。みのすけさんが高校生ってのはいくらなんでも、ぷぷと思ってたら後で小林先生にだいたい先生より年上の高校生がと言われてましたな。
一方、彼女マミちゃんの心変わりにあせり模様のアキヤマくん。トモユキか!トモユキ、あの野郎〜てなもんで。そんな彼らの間を小林先生の言いつけで行ったり来たりするマチダくん。
てなことで、「真夏〜」の人間関係をここで全部説明しちゃえーということなんですね。ドタバタと気がつけば全員集合。こうなったら全員で芝居やればいいじゃないかと小林先生。配役もどんどん決まり、気がつけば演劇部は役無しってそんなのありかい!?とりあえずは文化祭オープニングは創作ダンスよ〜と峯村先生の号令でいきなりダンスコーナーです(笑)。MAだけじゃなくて全員で。みのすけさんが早替え早替え〜と言いながら退場してったなと思ったらそゆことかよ。扉部分が沈んでいった奥はアテネの森。ということで、いよいよ本編の始まりです。

まあ、ここからは有名な話ですから別にわざわざ説明するのも余計な気はしますが。まずなんつっても森が美しい〜っ!私が10数年前に見た「夏の夜の夢」(@パルコ劇場、山崎努ボトムでした)では、八百屋のステージに木の代わりにポールが何本も立っててそれを森と見立てて〜てな感じでそれも面白かったんですが、今回のはほんとに森っ。走れば木の枝にひっかかったりしそうな深い森。そこへ雷鳴と共にパックに変身した町田さんが登場する場面はゾクゾクしましたよ。(と言っても雷鳴におびえる妖精さんなんですが) 妖精の女王ティターニア(峯村リエ)とお付の妖精たち(みのすけさんたちったらもう1回早替えなのね)、妖精王オーベロン(小林顕作)も登場。インドの子供を取り合って夫婦喧嘩中の王様と女王様。取り付くしまのない女王に王様は魔法をかけることに。パックに浮気草を取って来るように命令します。王様とパックのかけあいというかパックがうっかり屋さんのボケボケくんで会話が全然成り立ってませーん。もちろんものすごーく動き回ってて敏捷な妖精さんなんだけど、何かトロくさいの。町田パック可愛いったらありません。オーベロンとパックってもっと怪しい感じ(笑)なイメージがあるんですが、今回は王様も何せ小林さんですから、イタズラガキ大将のお兄ちゃんとお兄ちゃん大好きな末の弟って感じ。

パックをお使いに出した後の森に登場するのはディミートリアス(秋山)とディミートリアスが大好きなヘレナ(生方和代)。ライサンダー(屋良)と駆け落ちしたハーミア(黒坂真美)に夢中なディミートリアスはヘレナなんて眼中に無いし邪魔でしょうがないのに、追いすがるヘレナ。ここのアッキーと生方さん、すごいです。もう肉弾戦(笑)。あのでっかいアッキーが思い切り押し倒されてます。(かなり羨ましいらしい) くんずほぐれつの挙句、アッキーったら「結んでやった」と逃げ去る。ヘレナの左右の靴紐が結ばれてました。どうもアドリブだったようでそこまで優勢だった生方さんも苦笑。

ついでにあの二人もくっつけてやれと戻ってきたパックに命じる王様。ところがパックは間違えてライサンダーに惚れ薬をかけちゃうと。ちなみにライサンダーくん、思いっきり彼女の尻に敷かれてました(笑)。
一方、森の中で御前芝居の稽古中の職人達。ここからは米花さん試練の場(笑)。芝居の配役を決めるのに一人ずつ「男らしさ」「女らしさ」「ライオンらしさ」を表現しなくちゃならないと。これは青木さん方式ですな。相対するのが芸達者なみのすけさんや池谷のぶえさんですからね。がんばれパナちゃん。そんな彼らをおーもしろそーに見てるパックがこれまたかーわいかったり。何故か一緒にタップダンスを踊ってパナちゃんより先にバテちゃうへたれ妖精ったらったらっ。でまあ、パックのいたずらでロバ頭にされちゃう米花ボトム。そばで眠っていた女王様ティターニアが目覚めてロバなボトムに恋しちゃうと。

王様、見てみて〜僕しっかりやりましたよ〜とウキウキ報告のパック。またこれが要領得ないしゃべり方だったりするところが今回のパックの可愛らしさで、むがー。早速二人で見物〜♪と思ったら、どうも様子が変。お前人間違いしたな〜っと叱られる妖精さん。慌ててディミートリアスにも惚れ薬をかけたので、今までハーミアを取り合ってた二人がヘレナを取り合うことに。一番おっきいアッキーと一番ちっちゃいやらっちの取っ組み合いですからもう大変楽しい。やらっちの一本背負いはさすがに不発でしたが、それでも一瞬アッキーが浮いたりして会場どよめいたり。さらにパックが面白がって魔法かけたりするもんだからダンス対決になったりもします♪ そんな二人を見て互いのせいだと誤解したヘレナとハーミアも大喧嘩。ハーミアのことを「ちっちゃいくせに」とののしるヘレナ。原作どおりのセリフなんですが、この場で一番ちっちゃいのは屋良なのよねー(笑)。

一応彼らには魔法をかけ直して一件落着。さて、女王様に惚れられたボトムの運命やいかに。もうパナちゃんたら峯村さんにいいようにおもちゃにされてます。お願いがあるんだというボトムに、「じゃあ〜私のおへその場所を一発であてたら聞いてあげる〜♪」ともう逆セクハラ。「間違えたらあんたの苦手な恥ずかしいモノマネをさせるわよ」って米花ぴーんち。くそー当てるっ!と自分のおへその位置を確認しつつ挑戦!も「ぶー、ぜんぜん違いまーす♪」やりゃいいんだろ、やりゃって男前だぞパナ。しかし相手もさるもの、「じゃあ〜コロッケ」「ええ〜、コロッケってモノマネする方の人じゃないですか、そのモノマネって・・・」「馬鹿ね、食べる方に決まってるじゃない」・・・完全に遊ばれてます。揚げたてのサクサクしたやつとか注文つけられつつ丸くなってみるパナちゃん。青木さんと変わらないじゃん。

十分遊んで満足したので女王様を元に戻してあげる王様。皆元通りにして(ディミートリアスだけは魔法かかったまま 笑)、ボトムたちのへぼへぼーんなお芝居を見たり。オーベロンとティターニア、パックも実は一緒に芝居を見てるって設定です。いちいちツッコミを入れる王様とか、足投げ出して座ってるパックの可愛らしさとか。

最後のパックの口上は、パックではなくてマチダくん。これは「アリ」だと思いましたねー。MA頑張ってはいるけど、やっぱり翻訳どおりのセリフになるとボロが出たり。最後の口上もパックにやらせちゃうと型どおりにしかならないところを、マチダくんがしゃべることでこのお芝居がMAのものになったように思います。それまで最初の小芝居は楽しいけど別に無くてもいいんじゃないと思ってたのだけど、ここを町田にしゃべらせるためには必要な場面だったのね。最初の小芝居で簡単に図式化したことで省かれてしまったこと、例えばシーシアスとヒポリタ(そもそもボトムたちが練習してるのはこの人たちに見せるお芝居)が出てこなかったり、ライサンダーとハーミアが駆け落ちをしなくちゃならなかった事情がほとんど説明されなかったり、なのであっさり帰ってきちゃったり、ちょーっと腑に落ちないところがあったりもするのだけど、町田さんの口上で全てOK。甘いファンだなあ、私ったら。

それぞれのツボどころはまた後ほど〜。(まだ語る気か)

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